新たな交通システム〜2020年・みなとみらい地区に連節バスを導入!

横浜市の都心臨海部において、連節バスを活用した新たな交通システムを導入する為に、30年度予算では、横浜市全体で6億円を超える予算が計上されています。2020年の導入に向け、事業が本格化してきています。

●  連節バスのルート

利用しやすいバスサービスとするためには、利便性に配慮した運行計画とする必要がありますが、その中でも、特に導入ルートの設定は重要な要素となります。みなとみらい線より海側のエリアについては、パシフィコ横浜や赤レンガ倉庫、大桟橋など魅力的な観光集客施設が整備されています。しかし、それらは駅から比較的遠く、バス路線によるサービスも限定的となっています。このため、横浜駅から山下埠頭周辺までを繋ぐことを基本に、都心臨海部の水際線沿いに新たな公共交通軸を形成できるルートとなる計画です。

 

●  先行事例・新潟市のBRT(バス高速輸送システム)

先日、類似事例である新潟市のBRT(バス・ラピッド・トランジット/バス高速輸送システム)について地元・新潟の方の話を聞きました。新潟市では、BRT導入が、前回の市長選の争点になった事もあり、導入の是非や、採算性が議論となっています。専用レーンを設置するという元々の計画が進んでいない為、交通渋滞を引き起こし、定時性が確保できない、当初の思惑通りに利用者が増えない、また、2両編成のため車内の移動時間が長くなりその結果、停車時間も長くなるなど、様々な課題もあるようです。

 

 

●  予算特別委員会「都市整備局」で質問しました

2月28日に行われた予算特別委員会「都市整備局」で、会派を代表して質問しました。

<質問:大岩>

事業採算性の確保について、どのような見通しを持っているのか?

 

<回答:都市整備局長>

運行主体である交通局の試算では、年間平均で概ね58万人の利用者を見込んでいます。これは、既存のバス路線の利用実態や、新たな施設整備に伴う需要増などを踏まえますと、実現可能であり、採算性は確保できる数字と考えております。さらなる利用者の増加に向けて、都市整備局としても、まちづくりの観点から総合的な取組を進めてまいります。

 

 

 

 

●  収支シミュレーション(黒字化の見込み・計画)

導入車両数:4両、運行時間帯:概ね10〜19時、運行間隔:概ね30分間隔、バス定員:130人、19往復/日、利用料金:216円、年間58万人利用を見込む

5年目で単年度収支黒字、15年目で累積黒字(=累積損失解消)

<利用者・利用率分析>

年間 58万人(シミュレーションの計画値)
1日あたり 年間58万人÷365日=1,589人(約1,600人)
1便あたり(数) 1,600人÷(19往復✕2)≒約42人
1便あたり(率) 42人÷定員130人≒32.3%

 

●  まとめ

1便あたり平均3割強の稼働率(=乗車率)で、シミュレーション上の採算は確保出来る事となります。みなとみらい地区のバス需要を考えると、簡易のシミュレーション上は、十分採算確保可能なラインと言えます。

今回の連結バス(BRT)の導入は、今後、横浜市内の他の地域(例えば上瀬谷通信移設の跡地など)に展開するにあたり、試金石になる事例です。採算性や課題の克服について、今後もしっかり確認して参ります。